患者様がマイナンバーカードで資格確認をしたら「読み取れない」ってエラーになって、患者様が怒ってしまいました。こんな時はどうしたらいいのか、困っています。
「このマイナンバーカードが使えない」と言うと角が立つ
一見何の問題もなさそうなマイナンバーカードでも、いざ顔認証付きカードリーダで操作を続けると「認証できない」ってなることがあります。このようなとき、患者様に「このマイナンバーカードは使えないようです」とストレートな説明をすると、恐らく患者様はクレームを言ってくるでしょう。「他の医療機関では使えた」、「前は使えた」、「この装置の方が悪いんだ」と収拾がつきません。まずは患者様に寄り添って「何が問題なのか」を落ち着いて一緒に確認するのが良い結果につながります。
様々な「マイナンバーカードが使えない」原因
一例として、
マイナ保険証は、マイナンバーそのものではなく、マイナンバーカードに書き込まれた「電子証明書」を使用しています。電子証明書の有効期間は、年齢問わず発行日から5回目の誕生日までに設定されています。この場合、機種によって若干の差はありますが顔認証付きカードリーダには
受付窓口にご連絡ください。 また市区町村で証明書の更新手続きをしてください。 【006:利用者証明用電子証明書の失効・有効期限切れ】 |
とメッセージが表示されます。この場合、メッセージに原因が明確に記載されていますのでメッセージ通りのご案内をすれば事足ります。(念のため、電子証明証の更新についての資料を用意しておくとベスト)
しかし、次の場合はどうでしょう。
マイナンバーカードを正しく置きなおしてください。 再発する場合は受付窓口へご連絡ください。 【001:マイナンバーカード読取失敗】 |
このようなメッセージの場合、何が悪くてマイナンバーカードが読み取れないのか明確ではありません。正しく置き直しても読み取れない可能性もあります。
実際には券面の汚れであるとか、カード側読み取りのカメラの汚れなどにより発生するエラーです。ここですぐに「患者様のマイナンバーカードは使えません」と言うとトラブルの元です。顔認証付きカードリーダの故障でないことを確認するには、ご自身のマイナンバーカードで保険証利用ができるかどうか確認することも有効と思います。
読み取り失敗したマイナンバーカードを利用する次の手段としては「暗証番号による認証」が提案できます。顔認証付きカードリーダの種類によっては、読み取りエラー後の患者様操作で「暗証番号」を選択可能になるものもあるようです。また、患者様が「暗証番号なんてわからない」と言われれば「目視確認モード」を使うこともできるでしょう。
いずれにしても、読み取れなかった場合の次の一手を普段から理解し、予行練習しておくことで「もめ事にならない」逃げ道を確保しておくことができるでしょう。
それぞれのケースに応じた対応が必要
前項では「電子証明書の有効期限切れ」と「読み取り失敗」を例に挙げましたが、前者はマイナ保険証として使えず、後者はマイナ保険証として使える可能性が残っています。それぞれのケースによってその後の対応が異なるということです。マイナンバーカード読み取り時のエラーメッセージについては、各メーカの顔認証付きカードリーダの「運用マニュアル」等に「エラーコード一覧」といった項目にまとめられていますので、これを機会に一読しておくことをお勧めします。以下に各顔認証付きカードリーダメーカ毎のマニュアル入手先のリンクを掲載しておきます。
カードリーダメーカ | 装置名称 | マニュアル入手先 |
---|---|---|
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | Hi-CARA | Hi-CARAダウンロード一覧 顔認証付きカードリーダーHi-CARA 操作マニュアルのzipファイルをダウンロード |
富士通Japan 株式会社 | Caora | Caoraのホームページからユーザ登録後ダウンロード可能 |
株式会社アルメックス | マイナタッチ | ダウンロード Web上からエラーコード確認可能 エラー表示(マイナタッチ本体) エラー表示(資格確認端末) |
パナソニック コネクト株式会社 | XC-STFR1J-MN XC-STFR2J-MN | 関連資料ダウンロード サポート情報 |
アトラス情報サービス株式会社 | EXC-9000 | 製品紹介ページの 各種資料ダウンロード から マニュアルのダウンロード を選択 |
資料を準備しておく
マイナンバーカードの電子証明書のエラーに対して「どう対処せよ」といったことを医療機関の窓口スタッフが患者様に指示するのも角の立つことです。このような場合は、手元に資料を用意し、資料をもってご案内し、患者様のご自身でどう対応すれば良いかご判断いただくのはいかがでしょうか。
マイナンバーカードの更新手続き (マイナンバーカード総合サイトより)
電子証明書の更新手続き (マイナンバーカード総合サイトより)
また、わかりづらい事象として「マイナンバーカードの照合番号(B)ロック」というものがあります。この事象が発生したときは「暗証番号」や「目視確認モード」による認証が実施できるのですが、以後、顔認証を行えるようにするには「照合番号(B)ロックの解除」という処理が必要になります。顔認証付きカードリーダにその旨のエラーメッセージが表示されるので、発生した場合は該当の患者様に以下資料をお渡しし、かつ市町村区の窓口にも資料を見ていただくよう案内すると手続きがスムーズに進みます。
医療機関等において顔認証付きカードリーダーを用いた際にロックがかかったマイナンバーカードに対するご対応について(医療機関等向け総合ポータルサイトより)